IFA への転職を考えている人は、IFA の年収がどのくらいか気になるでしょう。
転職して年収が増えるのは良いことですが、年収が減ってしまうと生活へ悪影響が出ます。
IFAの収入の仕組みはどうなっているのか、実際にIFAがどのくらいの年収をもらっているかを事前に把握しておくことは大切です。
この記事では、IFA の年収がどのくらいなのか、IFA の収入の仕組みや年収をアップさせる方法を解説します。
契約形態によりIFA の年収は異なる
IFAは契約形態により業務委託契約と社員雇用契約に分類され、報酬システムは異なります。ここでは、各契約形態のIFAの年収について解説します。
社員IFA の給与形態
一般的に証券会社はIFAの年収に関するデータを公開していません。IFAへの転職の経緯は個人によって異なるため、給料や報酬の条件は十人十色です。
例えば、基本給を高めに設定して業績給があまり反映されない契約をしているケースもあれば、基本給を低めに設定して業績給が反映されやすい契約をしているケースもあります。
社員IFAの年収は転職するまでのキャリアの影響が大きいため、平均年収はいくらとは言いにくいのです。
社員IFAの年収は個人のキャリアや能力によって決まるということを理解しておいてください。
業務委託IFA の給与形態
業務委託契約IFAは完全歩合制を採用しているため、顧客が証券会社へ支払う売買手数料の一部が報酬になります。手数料の一部から支払われる報酬は、バック率により計算されます。
バック率は前職での営業経験やIFAになってからの実績などから決定します。バック率によっても歩合の報酬額は変わりますが、IFAとして活動し始めてどのくらいの実績を上げられるかで年収は決まります。
転職して間もない時期はほとんど収入がないケースが多いのですが、顧客開拓に成功すると数千万円以上の年収を稼ぐこともあります。
アンケート調査から推測するIFA の平均年収
IFAの平均年収についての公式データはありませんが、活動歴1年以上のIFAからヒアリング調査して推測できる平均年収を紹介します。
下記図はアドバイザーナビ株式会社が実施した「現役IFA 218名による業界動向調査 2023度版」より、現IFAの前職からの年収変化についての結果です。
出典:アドバイザーナビ株式会社が運営する「IFA転職」より
同程度との回答が37%と最も多く、人によっては2倍以上稼いでいる人もいます。一方、半分以下になってしまった人も一部いるので転職時には入念に計画を立てるのが良いでしょう。
社員IFAと業務委託IFAで、それぞれ詳しくみてみましょう。
社員IFA の平均年収
社員IFA は固定給が支払われますが、平均で35万円ほどです。固定給以外にもボーナスや一定額以上の手数料収入があった場合のインセンティブが加算されると、さらに収入は増えます。
社員IFAの能力や実績によって収入が変わってくるため年収に幅はありますが、転職サイトに掲載している求人情報を参考にすると、一般的には500万円〜700万円程度でしょうか。ただし、証券会社や保険会社での営業実績があると年収1000万円以上をもらえるケースがあるようです。
業務委託契約IFA の年収
自分の能力に自信のある人が業務委託契約IFAへ転身して活躍しています。そのため、社員IFAよりも年収が高い傾向にあるように感じます。下記図はアドバイザーナビ株式会社が実施した「現役IFA 218名による業界動向調査 2023度版」での年間手数料についての結果です。
出典:アドバイザーナビ株式会社が運営する「IFA転職」より
正社員と業務委託合わせての回答なので結果の数値が少し低めになっているようには感じますが、回答はこのような結果でした。報酬率が手数料の60%程度だとすると、業務委託の年収もイメージがつきますね。
活躍している人だと、3,000万円以上の年収を獲得している人もいます。固定給という保障がないのでこの金額が高いかどうかは判断が難しいのですが、リスクをとって挑戦できる人には業務委託契約IFAが向いています。
IFA の年収の仕組み
IFA の年収はバック率と前職のキャリアの影響を受けると説明しました。特にバック率は収入の増減に大きな影響を与えるので、よく理解をしておくことが大切です。
ここでは、バック率について詳しく説明します。
バック率とは
繰り返しになりますが、バック率は顧客の売買手数料からIFAに支払われる報酬の割合のことです。例えば、バック率が50%であれば、100万円の売買手数料のうち50万円がIFAの報酬となります。当然のことですが、バック率が高いほどIFAにとっては有利です。
業務委託契約IFA のバック率
業務委託契約IFAの バック率の相場は50~70%ほどと言われています。手数料に対する割合としては高いと感じるかもしれませんが、実際に金融商品が売買されて発生した手数料から支払われるのでIFAに報酬を支払う側にはリスクはありません。
ただし、業務委託契約IFA はバック率が高い一方で、顧客からの販売手数料がなければ報酬がゼロになるという厳しい面があります。
社員IFA のバック率
社員IFA の バック率の相場は20〜40%ほどと言われています。業務委託IFAと比べるとバック率は低いのですが、固定給が支払われるので社員IFA は経済的に安定しているのが特徴です。
会社によってはボーナスを支払って、さらに上乗せでバック率に応じた報酬を支払ってくれるところもあります。そのため、社員IFAは年収の予測をしやすいというのもメリットです。
バック率についての注意点
バック率が高い場合と低い場合でそれぞれメリットがありますが、業務委託契約IFAについては次の3点に注意してください。
・バック率が高い場合のサポート体制
バック率が65%を超えているとIFA業界内では高いと判断されます。しかし、コストを削減しているからこそ高いバック率が実現できるため、サポート体制が充実していないケースがあります。例えば、事務所の利用や事務のサポートは対応しているが、その他は自己負担というところもあるので事前に確認しましょう。
・バック率が低い場合のサポート体制
バック率が60%を下回ると低いと判断し、その分しっかりと会社がサポートしてくれるのかを確認する必要があります。例えば、既存の顧客を紹介してくれたり、新規顧客を開拓するためにセミナーを開催してくれたりするのであれば、バック率の低さをカバーできるでしょう。
バック率が55%を下回るにもかかわらず営業面での支援がまったくない場合は、劣悪な条件なので注意してください。
・報酬システムが充実している企業は顧客を大切にしている
報酬システムが充実している企業はIFAと顧客を大切にしていると判断できます。報酬システムが充実しているとIFAに経済的な余裕が生まれ、顧客に無理な営業をしなくなります。顧客に最適な商品やサービスを提案するので、顧客の満足度は高くなるのです。
IFAのサポート体制が充実している企業は、IFAの報酬システムも充実している傾向があります。
IFA の年収をアップさせる方法
IFAになろうと考えている人ならだれでも年収をアップしたいと思うでしょう。
ここでは、IFA の年収をアップさせる方法を紹介します。
紹介を受ける件数を増やす
IFAで新規顧客を開拓するには、既存の顧客から紹介を受けるのが早く確実な方法です。IFAに限ったことではないのですが、紹介は最強の営業手法です。新規の顧客開拓では信頼関係を構築するのに苦労しますが、顧客からの紹介ならスムーズに顧客になってもらいやすいのです。
IFAは営業担当のようにノルマはないため、中立的な立場で見込み客にアドバイスできるメリットがあります。既存顧客の友人や知人を数多く紹介してもらい、新規顧客を開拓していけば年収アップにつながるでしょう。
幅広い商品を提案する
金融商品を提案できるのは資金に余裕のある顧客層です。金融商品の提案だけを業務とすると、ターゲット顧客は限定されます。しかし、保険商品も取り扱うようになれば、顧客の幅を広げられ、将来的に金融商品を購入してくれる見込み客を獲得できるチャンスが広がるのです。また、不動産を取り扱えば、さらに違った切り口から顧客を拡大していくことが可能です。取り扱う商品の幅を広げると、顧客が増加して年収もアップします。
同業者と情報交換する
IFAは独立して活動するため、会社から営業やマーケティングについての研修を受けることはほとんどありません。そのため、IFAとしての営業力やマーケティング力を高めるには同業者のIFAとの情報交換が重要です。
積極的に同業者と交流すれば、自分が知らなかった営業ノウハウや新規顧客開拓に効果のあったマーケティング手法などを教えてもらえるかもしれません。同業者と情報交換することは、IFAの年収アップにつながるのです。
転職を考えたら転職エージェント相談しよう
以上、この記事ではIFAの年収の実態について説明しました。
転職時に年収は重要事項となるかと思いますので、各社の条件をよく調べることをおすすめします。
ただ、IFA業界はまだまだ情報が少なく、不透明な部分も多々あります。
自分ひとりで調べるにも限界を感じたときには、転職エージェントを利用しましょう。
特に、IFA業界に特化した転職エージェントを利用することで条件交渉が有利に働くケースもあるようです。
アドバイザーナビ株式会社は約100名以上のIFA転職実績がある転職エージェントです。
証券会社出身のコンサルタントが対応しているため、金融業界とIFA業界のどちらにも精通しており、話がスムーズに進むでしょう。無料で相談できるので、申し込んでみましょう。
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